新作ストリームライナー、その全貌 -ケース・ブレスレット編

新作ストリームライナー、その全貌 -ケース・ブレスレット編

伝説的な高速列車「ストリームライナー」と名付けられた流麗なデザイン

新作ストリームライナー、その全貌 -ケース・ブレスレット編
ケースからバックルに至るまでサテンとポリッシュの仕上げが交互に施され、開閉部分にはH.モーザーのホールマークが刻まれています
新作ストリームライナー、その全貌 -ケース・ブレスレット編
一つ一つ小さなリンクが連なったしなやかなブレスレット。手首に絶妙なフィット感をもたらします

H.モーザーが現在のMELBホールディングスの経営体制に入って、基盤を固めていた6-7年前ごろから一体型ブレスレットを持ったモーザーらしい時計を作ろうという協議が重ねられてきました。また前体制時にはクロノグラフを搭載した時計がなかったことから、スポーティなブレスレットを持った時計にその機能を持たせることは必然の選択でした。

ただ質のいいステンレススチール製のブレスレットを作ることは、簡単ではありません。事実これまで存在していた唯一のブレスレット搭載モデル、パイオニア・センターセコンド RB ファンキーブルーには既製のブレスレットを使用していました。(同モデルは完売)

開発にあたりCEOのエドゥアルド・メイランは「私たちは、快適でエレガントで他にはないブレスレットからこの時計の開発をスタートしました。」と語ります。そして、幾多のブランドで製品開発やコーポレートアイデンティティーのデザインを手がけ、受賞歴もあるマーカス・アイリンガー氏がこのチームに加わりました。お互いの思いを共有する中で、とりわけインスピレーションを得たのがアメリカやヨーロッパで1930年頃に登場した初めての高速列車「ストリームライナー」でした。

新作ストリームライナー、その全貌 -ケース・ブレスレット編
アメリカやヨーロッパで1930年頃に登場した高速鉄道「ストリームライナー」。空気力学を考慮した形状により飛躍的にスピードの向上が図られました。Photo Credit https://www.thevintagenews.com/

ストリームライナーは高速化させるために軽量化させて華美な装飾を省いた金属の質感と空気力学を考慮された流線形の形状が特徴です。さらにマーカス氏はデザインにあたり、次のように語ります。

「私は毎日、スペインの建築家サンティアゴ・カラトラバが設計したチューリッヒの鉄道駅から通勤しています。カラトラバはコンクリートや鋼鉄といった重い素材を使っているにもかかわらず、それらはとても軽やかでエレガントに感じさせ、完璧にバランスのとれた造形となっており、自由なスタイルの躍動感あふれるデザインにはいつも驚かされます。重さを隠す方法、重力をだます方法など、それらは私にとって間違いなく大きなインスピレーションをもたらしました。ストリームライナーでは、自由な造形を多用しました。半円や放射状、直線のように単純化することができない複雑な曲線。これらは催眠作用があり、スピード感をもたらします。」

新作ストリームライナー、その全貌 -ケース・ブレスレット編
随所に"流線型列車"の曲線美のディテールを垣間見せるストリームライナーの造形

滑らかさとしなやかな連続したラインのブレスレットを一体化させるケース

新作ストリームライナー、その全貌 -ケース・ブレスレット編
ディテールにこだわったブレスレットを最初に開発し、人間工学に基づきケースと一体化された美しいフォルム

人間工学に基づき、エレガントに弧を描いて手首のラインをなぞる一体型ステンレススチール製ブレスレットに連なるのは直径42.3mmの美しいフォルムのクッション型ケースです。「M」で装飾されたオフセンターのねじ込み式リュウズにより12 気圧防水を確保しています。また10 時および 2 時位置のクロノグラフプッシュボタンのレイアウトは、機械式で作られていたストップウォッチや通称「ブルズヘッド」と言われた1970年代のレトロな時計のデザインを想起させます。トップ部分は、わずかにドーム型のグラスボックスタイプのサファイアガラスで覆われ、ボトム部分も同じようにサファイア製のケースバックです。

新作ストリームライナー、その全貌 -ケース・ブレスレット編
ブレスレットからケースに連なるサテンとポリッシュ仕上げの連続性と一体感にもこだわったケースサイドのディテール

さらにケースの仕上げも今までにない方法で手が込んだ作りをしています。ブレスレットのリンクはすべて細かく可動し、縦方向のサテン仕上げとつなぎ目の部分はポリッシュ仕上げの表面を組み合わせています。さらにリンクの中央部分にわずかなくぼみを設けることで、光の照射により一層輝き、一見すると金属が波のように動く姿が見てとれます。ベゼルには、ブレスレットの縦方向のサテン仕上げと見事に調和するサンレイ仕上げが施されています。ケース側面もモーザーのケースの伝統的な形状にならい、サテン仕上げとポリッシュ仕上げが交互に施され、リューズやプッシュボタンが配されている彫刻のように彫り込んだ形状の部分には、こちらもブレスレットから続くサテン仕上げが施されています。


新しいライン、新しいケース、新しい一体化されたブレスレット、新しいムーブメント、新しいダイアル、新しい針… すべてが新しく、すべてが違っていながらも、すべてがH.モーザーの流儀を保持しています。次回はクロノグラフの視認性にとことんこだわった文字盤のディテールをご紹介いたします。
>>>ダイアル編
http://h-moser.jp/streamliner-feature-2/

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